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第1回カンファレンス開催報告

2015年10月19日(月)一般社団法人フレームワーク普及促進協会と株式会社ベーシックの共催による「第1回フレーム&ワークモジュール®カンファレンス」を開催しました。

 

今回のカンファレンスでは、ゲストスピーカーとして一橋大学大学院 国際企業戦略科長 教授 一條和生先生をお招きし、“イノベーション=知識創造の出発点は自己利益を超えた熱い思いから” 思いから未来を創る:イノベーションを実現する リーダーシップをテーマにお話ししていただきました。

また、新建新聞社から刊行した【工務店経営 新5フォースバランスと11のポイント〜若手経営者に考えてほしい本当の経営戦略〜】を記念し、株式会社新建新聞社 代表取締役社長 三浦 祐成氏に「“激変する住宅業界で生き残る!”住宅建設業界のイノベーション、経営者とスタッフの思いの重要性と、 新しい価値提案マネジメント」と題して講演いただきました。

その他、フレーム&ワークモジュール®の導入企業による事例発表もあり、大変好評のうちに終了いたしました。多くのご参加を賜り、誠にありがとうございました。

売上を倍増させるフレーム&ワーク

事業を最速で立上げ継続的に売上をアップする〝新5フォースバランス〟

一般社団法人フレームワーク普及促進協会 代表理事 田原 祐子

【工務店経営 新5フォースバランスと11のポイント〜若手経営者に考えてほしい本当の経営戦略〜】(新建新聞社刊)刊行記念として、フレーム&ワークモジュールの考え方、仕事の見える化について講演しました。

また、5フォースバランスの5つについて、ご紹介しました。

 

新5フォースバランスと11のポイント紹介サイト

“激変する住宅業界で生き残る!”

住宅建設業界のイノベーション、経営者とスタッフの思いの重要性と、 新しい価値提案マネジメント

株式会社新建新聞社 代表取締役社長 三浦 祐成氏

住宅業界は「スクラップ&ビルド」。つくっては壊しを続け、住宅の平均寿命は30年以下だと言われてきました。
また、今までの住宅業界では住宅の質、性能、品質、資産価値、暮らしの質が貧しく、スクラップ&ビルドを進めた結果、「質」がなおざりにされて来たという問題意識があります。そのため現在は日本の住宅のうち14%弱が空き家となっており、今後さらに30%以上にまで増える推定値が出ている。新築偏重ビジネスモデルにイノベーションを起こすときにきているというお話から、これからの住宅営業における課題や国の政策への対応、また住宅業界の価値の変換についてお話いただきました。

 

新建新聞社サイト:http://www.s-housing.jp/

新建ハウジング内田原コラム:http://www.s-housing.jp/archives/68100

“イノベーション=知識創造の出発点は自己利益を超えた熱い思いから”

思いから未来を創る:イノベーションを実現する リーダーシップ

一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授 一條 和生氏

ここ10年程、世界から日本の経済に対する期待をもたれたことはなかったところから、2014年、「日本の成長戦略」がエコノミストカバーストーリーに掲載され、世界で注目を浴びたことについて言及し、世界から見た日本への期待感についてお話いただきました。

そして、これまでの日本企業の低迷の原因や世界の経営者が注目しているテーマ「デジタル経営破壊」と、「思いのマネジメント」の実現についてご講演いただきました。

イノベーションとフレーム&ワークインタビュー

「モチベーションをアップし、熱い思いを実現するには、何が必要か?」

一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授 一條 和生氏

一般社団法人フレームワーク普及促進協会 代表理事 田原 祐子

一條先生の講演をもとに田原が「思いのマネジメントMBOからMBBへ」「イノベーションを起こす組織・マネジメント」「暗黙知をどうやって場に活性化させていくのか 〜ナレッジマネジメントとフレーム&ワークモジュール®〜」についてお話をお伺いしました。

一條先生と田原のインタビューを一部ご紹介します。(敬称略)

田原:今のリーダーは数字を追いかけているように思いますが、マネージャーの役割とはどのようなものでしょうか。

一條:マネジメントの重要性を過小評価してはいけません。そもそも、会社でマネージャーになる人は限られており、最低でも10年程の経験を求められています。それは、本当に部下・チームメンバーを指導できる高い業務スキルがないとマネージャーにはなれないし、良好な人間関係を作れる人物でなければならないからです。この二つが伴ってはじめてマネージヤーとなりうるのです。決して、数字を追わなくていい、と言っているのではなく、MBB(Management By Belief)とMBO(Management By Object)のどちらも密接に関わっていなくてはならないのです。その要となるのは人材育成の視点をいれたマネージャーの役割は非常に大きいと思われます。

 

田原:「思い」や「主体性」を持つこと、「リーダーシップ」をとることにおいては何が一番重要ですか。

一條:自分が主体的に考える喜びを気付かせることが大事だと思います。人間は考えることが人間たる所以であるから、思考力や想像力が無い人間というのは、まずありえない。ただ、それが発揮できていないのです。それを発揮できるようなマネジメントをすることが、現在の企業において忘れられているのではないかと思います。

 

田原:「場をつくる」ことについて、「場」を活性化させるためのベースとはどのようなものですか。

一條:マネージャー、課長、部長なりが、どうすれば自分たちの課や部を良くできるかを考えることです。良い場には良いリズム、コミュニケーションがあります。そのような場を作るのがマネージャーの役割だと思います。

 

田原:暗黙知と形式知の関係性について教えて下さい。

一條:日本の企業の良さでもあり問題でもあるのですが、「暗黙知」が非常に強すぎる、という点。経験に基づく暗黙知は、言葉にしていかないと共通の理解が得られない場合があります。ただ、日本では、暗黙知を形式知にしなくても伝わる。むしろ「言わなくてもわかる」人間が優秀なんだ、というところがあると思います。これは、今後通用しなくなってくるでしょう。グローバル化において苦労した点はここで、日本の企業はかなりの暗黙知なので、形式知にしないと海外での成長はありえません。今まで以上に、暗黙知の形式知化を意図的にやっていかなければならないでしょう。

 

田原:暗黙知と形式知について、これからはどうあるべきなのでしょうか?

一條:暗黙知を言葉にすることが大事です。暗黙知の企業が陥りやすい罠として、「過去の成功体験」が永遠不変となってしまうこと。常に言葉にすることによって、「これでいいのか」と考え、必要であれば修正をすることができます。それを続けることによってどんどん仕組みが進化し続けていく。それが暗黙知と形式知のスバイラルアップです。仕組みを硬直化させないことが大事なのです。

 

田原:過去の成功にとらわれず、場においてチームが語り合い改善し合う、それにはリーダーの意識変革が必要ですね

一條:そのようなことを実現するリーダーが必要です。

 

一條:フレーム&ワーク、見える化することは非常に大事です。そうしなければ、間違いや誤解が発生し、

成功を繰り返しません。暗黙知を形式知化させ、仕組みを組織の中でしっかりと定着させる。

それを、硬直的に捉えずに常に進化させていく。進化するチャンスは、今までのやりかたでは通用しないような

大きな変化に遭遇した時に、恐れることなく、自分たちの経営を進化させる絶好のチャンスだと考え、

主体的にその変化に乗り込んでいくことが大事であり、それがリーダーシップの一番の本質なのではないかと思います。

事例発表・事例紹介(4社5事例)

ルート先の事業情報の蓄積分析を活用した営業人材の高齢化・退職による営業力の弱体化防止

オイレスECO株式会社 ウインドーオペレーターリニューアル営業部 山田 克己氏

フレーム&ワークモジュール®では、ナレッジ(暗黙知)のデータベース化を最も重要視しています。ウインドーオペレーターリニューアルの営業マンは、人脈・専門スキル・営業ノウハウがなければまったく仕事になりません。高齢化・定年に関わらず戦力の維持・伝承を無理なく行う為の標準化・自動化が必要ということを考えており、フレーム&ワークモジュール®を導入しました。

活動のまとめとしましては、ベテラン営業マンの高齢化・定年退職で失われる貴重なスキル・ノウハウ・人脈が活動を通じてオープン化されました。

その結果、新人営業マンの育成、レベル向上に繋がる活動の標準化が図られました。

コミュニケーション効果が営業エリア内の同一客先で営業マンの重複が判明し、即座に改善しました。属人的な活動で隠れていたことがオープン化された成果です。

営業ツールのフレーム&ワーク実践

オイレスECO株式会社 ブラインド営業部 山田 泰彦氏

全ての営業担当者が個人差無く一定以上のレベルでセールストークできるようにするため、営業ツールの【フレーム=基本形】と【ワーク=実践・改善】の構築をしました。しかし、これを取り組むにあたり課題があり、課題を解決策に取り込みました。

基本的な流れや意味を理解すればお客様の目線で、状況、反応に応じてセールストークができるようになります。この手段を習得する仕組みがワークの構築です。習得につきましてはロールプレイングが非常に重要になります。営業役お客様役を何度も習得するまで続け、実際にお客様の席で実践し、現状把握、分析、実践、検証を繰り返し行います。

このような活動を何度もぐるぐる回してどんどん良いものにしていきたく思っています。

”心をひとつに!”

医療・介護・住まいの一体提供を目指す病院のブランディング戦略

姫野病院 舞風台 院長 姫野 亜紀裕氏

姫野病院の取り組みとして、医療、介護、住まいの一体提供を目指して、職員の職員による職員のための院内・地域に向けたブランディングプロジェクトを進めています。

一般の会社の方と医療・介護者の違いに注意しながらマネジメントし、モチベーションを上げるためには、一人一人がコミットメントしていくように大まかな方向性を示すこと、スタッフの邪魔をしないこと、働きやすい環境を作ってあげることが大切でした。

経営者の立場から用意できることは明らかに無駄と思えることを排除することでした。

フレーム&ワークモジュール®を導入し、成果として、中間的なものではありますが売上が上がって人件費をカットすることができました。

法律事務所におけるフレーム&ワーク導入事例

弁護士法人アジア総合法律事務所 弁護士 小山 好文氏

弁護士一人一人は職人であって、仕事には代替性がないというのが特徴です。

弁護士個人の長年の知識や経験、それに基づく勘のようなものが重要だと考えられている側面がある業界になっており、法律事務所も同様でベテラン事務員さんの属人的な経験や知識が重要視されています。事務所内でも共有されていないことが多く、こういう中で恒久的にあらゆる役に立つサービスを提供し、世代、年代が変わっても受け継がれるサービスを提供することを目標としていました。フレーム&ワークモジュール®を導入により、新入社員でもその日から高いレベルでここのモジュールの業務ができ、さらには主婦や短時間勤務の方でも法律業務が可能になるのではないかということが見えてきました。

F&Wモジュール導入による事務職のプロフィット化およびリソース配置最適化の事例

株式会社キャリッジリターン 代表取締役 福田 信也氏

創業して10年、結婚、子育て、介護、社会活動など社員のライフイベントに対応可能な働き方が必要になってきました。これまでの案件に人を当てる受動的な仕事のやり方から、それぞれの働き方を当て込む形の時代のニーズにあった能動的なプロジェクト運営を実現したいという悩みがでてきました。

定型的かつ純粋作業と分類されたタスクを経験豊富な技術者がフレーム&ワークモジュール®に落とし込み、これをベースに事務担当者を訓練することができるようになり、短期間でITプロジェクトに投入可能になりました。また、技術者に余裕がうまれ、パフォーマンスを維持したまま人員を増やさずに、営業、採用活動が行えるようになりました。

パネルディスカッション

フレーム&ワークモジュール®を導入して実際に何が一番変わったか、また、暗黙知の形式知化、モチベーションについてお話を事例発表いただいた皆様にご登壇いただき、お伺いしました。

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